新任戸籍係長の悲哀

あけましておめでとうございます。
「元スーパーダメダメ公務員」で、現在は「有限会社アポロ情報工業」というソフトウェア開発の社長をしている岩永美香です。
本年もよろしくお願いします。
あまりのダメダメぶりから、ふと頭に浮かんだシステムの開発に取り組んだ道筋の話をさせていただきます
私は平成26年3月までの約30年は市役所職員でした。
第3話目までで、水戸市役所戸籍係長着任初日の心の葛藤や自分の醜態・怒りや、私のスーパーマックスなダメダメ公務員ぶりを赤裸々に連ドラ方式で書かせていただきました。
今日は着任してから2ヶ月間のお話です。
初日に頭から冷水を浴びた私は、あの様な思いは二度としたくない!と、とにかく戸籍の実務を一刻も早く身につけたいという思いで頭がいっぱいでした。
「戸籍初任者の手引き」という参考図書を、読んでみましたが、
「ワカラーン!」
「実務」としての知識がすぐに身につくものでないことは明白でした。
多分、かなり怖い顔をしていたのでしょう。前任の係長(その方はその時の異動で課長補佐に昇格していました。)に、
「岩永さん、戸籍係へ来てから随分怖い顔してるけど、そんなに慌てても戸籍はすぐに覚えられないから段々に覚えていくしかないよ。」
と、気を遣って言って下さったのでしょうが
「この人、何言ってるんだろう。」
と思ってしまうくらいの心の荒みようでした。
着任初日がすごいスタートだったとは言え(この出来事をお読みになりたい方は3話目をご覧ください。)人の優しさを優しさとも感じないとはスーパーダメダメです。
「私は早く覚えたいです。」と言い放っていました。
前任者もカチンときたのでしょう。
「岩永さんは市民課の期待の星かもしれないが、仕事はそう甘くないよ。」
と言われて
「ウワぁかってます!」
と言い返す意味のない勢い。
「期待の星?なんて聞いたこともない。食えない人だ。」と思ってしまう被害妄想。
こんな調子でしたので、前任者との引き継ぎがスムースでなかった事は言うまでもありません。
重ねて、さらに恐ろしいことには、私は戸籍係の「係長」という事で係の中では「責任者」なので、係の方々が受理した届出を審査をして最終的に「決裁」をするという立場・役割でした。
係長が最終的に「決裁」をしたら、受理をした届出書(婚姻とか、出生・死亡など)が反映された戸籍謄本を交付することができるというシステムです。
「水戸市民全体の戸籍謄本が全て自分の審査により作られる。」
(正確には「水戸市民」ではなく、「水戸市に本籍地がある方」ですが。)
さきほど、「段々に覚えていくしかない。」とアドバイスを受けたところではございますが、目の前に山積みされた決裁待ちの届出書を見ましたら、そんな気持ちには到底なれず、前任者の言う事をどこまで信じていいのか疑心暗鬼になるとともに、それまで経験した事もないイヤーな熱さで、頭が一瞬でクラクラした事を鮮明に覚えています。
それでも「決裁」をしないと、戸籍謄本の交付ができませんので、戸籍システムに向かうしかありませんでした。
戸籍受付をある程度理解した今の私からすると、あの時、よく決裁をしたものだと、よく言えば「度胸がある」、悪く言えば「慎重さゼロ」の仕事ぶり。
分からないところは、自分も忙しいのに良く教えてくれた優秀な係員の方々に助けて頂きました。
係員のベテランの方々は実務経験がモノを言い、ノートにはビッチリと細かい文字で、これまでの経験事例や学んだことが書かれ、私への説明も的確でした。
「戸籍ってこんなふうに覚えるんだ。」と他の業務とは異質な、日本古来の制度である戸籍の重厚感を感じました。
現在でも江戸時代末期くらいまでの戸籍は遡って取ることができます。
私は戸籍係へ着任して2ヶ月は土日も休まず、ひたすら「決裁・決裁・決裁・決裁」をして・・・いられる環境ならまだ良かったのですが、5月に茨城県内の戸籍担当者の集まりがあり、その事務局も務めなければならないと聞かされ、その場で白髪がゴソッと増えた感覚を覚えました。休める日が来るのだろうか・・・。
そんな中で休日に付き合ってくれた戸籍係の方がいたのは、ホントーーに「ありがたかった!」と今でも思い出します。
では、また次回。
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Gerard Autry (金曜日, 03 2月 2017 00:56)
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